KYCとは
暗号資産の取引を始めるとき、最初に立ちはだかるのが 本人確認(KYC) と 投資経験に関する質問 です。
「ただ口座を作りたいだけなのに、なんでこんなに聞かれるの?」と戸惑う人も多いのではないでしょうか。
この記事では、Coinbaseカナダ版で実際に聞かれる質問をベースに、正しい答え方や注意点を解説します。
なぜこんなに質問されるの?
カナダでは暗号資産取引所(CEX)が FINTRAC(カナダ金融取引情報センター) に登録し、
さらに CSA(カナダ証券管理局) の規制に従うことが義務付けられています。
そのため、利用者は以下の2つの審査を受ける必要があります:
- 本人確認(KYC)
- 投資経験やリスク許容度を確認する適合性審査
これは「投資家保護」のための仕組みで、取引を制限することが目的ではありません。
Coinbaseで聞かれる主な質問
(A) 本人確認(KYC)関連
- Full legal name(氏名)
- Date of birth(生年月日)
- Residential address(現住所)
- Government-issued ID(パスポート・運転免許証など)
- Proof of address(公共料金の請求書や銀行明細など)
- Employment status(職業・雇用形態)
- Source of funds(資金の出所:給与、投資収益、貯蓄など)
- Selfie(本人写真)
👉 ポイント:登録した住所と書類の住所が一致していること。書類は鮮明に撮影することが必要です。
(B) 投資経験・リスク適合性チェック
Coinbaseでは、次のような英語の質問が表示されます。ここでは質問(英語) → 意味 → 回答のポイントの順に解説します。
- “What is your total investable assets?”
- 意味:投資可能な総資産はどのくらいですか?
- ポイント:あくまで区分を選ぶ形式。正直に回答。住宅や年金資産は含めないのが一般的です。
- “How much are you willing to lose?”
- 意味:どのくらいの損失を許容できますか?
- ポイント:「全部失っても良い」とする必要はありません。一般的には “A small portion of my portfolio(ポートフォリオの一部)” を選ぶのが無難です。※私は全部失ってもいいと選択してしまっています。
- “How many years of investment experience do you have?”
- 意味:投資経験は何年ですか?(株式・ETF・FXも含めて可)
- ポイント:初心者なら “Less than 1 year”、経験があればその年数を選択。虚偽は避けましょう。
- “What is the purpose of using Coinbase?”
- 意味:Coinbaseを使う目的は?
- ポイント:長期投資(Long-term investment)、トレーディング(Trading)、学習(Learning)など自分の目的に合うものを選択します。
- “Do you plan to participate in staking?”
- 意味:ステーキングを利用する予定はありますか?
- ポイント:カナダではステーキングは合法。ただし規制下にあり、リスク説明を理解した上で「Yes」を選択するのが前提です。
回答の注意点
- 正直に答えることが一番安全:虚偽回答はアカウント凍結や制限の原因になります。
- リスク許容度は慎重に:大きなリスクを取れると回答すると、レバレッジや高リスク商品を勧められる可能性もあります。
- 不明な場合は控えめに:経験や資産について不確実なら、控えめに選ぶのが無難です。
CoinbaseのKYCで気づいた3つのこと
KYCは投資家だけでなく、自分自身を守る仕組み
- 必須な手続きと感じず、規制があなたを守るための制度であるという視点に立つことで、不安が軽減されます。
正直さと慎重さが信頼を生む
- 仮に経験や資産が少なくても、偽ることなく正直に回答することがもっとも安全な選択です。いかなる虚偽回答も、アカウント制限のリスクにつながります。
回答の仕方で、提案される情報やサービスの質が変わる
- 自分のリスク許容度や利用目的を慎重に選ぶことで、不必要にリスクの高い商品を勧められる可能性を避けられます。
まとめ
これまでKYCは「面倒な手続き」という印象が強かったのですが、実際に体験してみて分かったのは、
- この仕組みは、不正防止だけでなく、自分の資産や人生を守るセーフティネットだったということ。
- 誤魔化さず、正直に答えることの大切さを改めて実感しました。
- そして、どれだけKYCで話す内容を慎重に選ぶかによって、提案されるサービスが変わる可能性にも気づきました。
今後、もしあなたがCoinbaseや他の取引所でKYCを求められたら、どうか「面倒だな」で終わらせず、「これは自分を守る大切な手順だ」と捉えてみてください。その意識が、安心にもつながります。
👉 初めて暗号資産取引を始める方は、これらの質問が「投資家保護のため」であることを理解し、落ち着いて回答してみてください。
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