介護職で僕が感じた、社会の不条理
事の発端、壮大な勘違い
僕は、3世帯家族の育ち。幼い頃から祖父母の生活を見て、壮大な勘違いをしていました。

こんな人たちの世話してお金もらえる仕事あるのか?
世間知らずで思考が浅い僕は、これがゆるい生き方だと勘違いし、高校卒業後、介護の道に進むことを決めました。もちろん、その頃の僕には「低賃金」「重労働」「安月給」という概念すらありませんでした。

長期的なビジョンなんか見えないよね
そんな視点を教えてくれる存在って、なかなか出会えないものよね
理想を打ち砕かれた、初めての実習
高校を卒業後、親元を離れ、介護の専門学校に入学をしました。都会に移り住み、新しい環境に胸を躍らせていました。

よっしゃ、これから頑張るぞ!
これから、色々な経験ができると粋がっていた僕を待っていたのは、社会の厳しさでした。入学後、3ヶ月程度座学を受け、初めての実習にて、僕は頭ごなしに怒鳴られ、感情のままに叱りつけられました。

なんで、そんな人格否定する事言われなきゃいけないんだろう…
他の職員からは「大丈夫?」と声をかけられても、結局は簡単な雑用を押し付けられ、貞のいいお手伝い君、もしくはゴミのように邪魔扱いされる日々。

なんなんだ…
実習費まで払っているのに、この不当な扱いは何だ!
僕の心は、理想とはかけ離れた介護現場の陰湿な現実に早々と打ち砕かれてしまいました。

”やり場のないストレス”が、渦巻いている感じね
どの業種でもありそうな事だけど… あってはいけないよね。
「利用者に寄り添え」と言いながら、見えない壁に阻まれた7年間
地元の社会福祉法人に就職した僕は、再び社会の不条理と向き合うことになりました。

とりあえず、無事に卒業できたし、ゆるく仕事して生きていけばいいか!
しかし、法人幹部や運営組に現場上がりの人間はほとんどおらず、「利用者に寄り添え」と口では言いながら、現場の意見は全く通りません。
僕が一番嫌いな「仕方なくやる社会のルール」ばかりが優先されていました。

寄り添えって言いながら、会議で人員削る?
現場人全然足りてませんよ?
現場を2年、相談員を5年務める中で、この違和感はさらに強くなりました。それは、到底必要とは思えないような仕事に溢れていた事でした。
- 誰もやりたがらない「職員発表会」の書類の作成。
- 自分の時間と労力を消費しても、ほとんど意味をなさない行政とのやり取り。
どれだけ利用者に寄り添っても、結局は別れが訪れる。言葉は悪いですが、僕の努力は、何も得られない空虚なものに感じてしまいました。

指定更新の書類… 聞いても誰も詳しく教えてくれないのな…
とりあえず調べて作ったけど、大丈夫かこの会社…

しっかりとしたメンターが欠如しているのも、現代社会の課題だよね
迷ったら、素直に人の話を聞け
僕の人生を変えた、たった一つの言葉
そんな社会人生活の中で、僕が最も大切にしている言葉があります。
それは、多くの利用者の方々から口を揃えて言われた、

後悔しないように生きなさい
という言葉です。
この言葉が、腐りかけた僕の心を何度も救ってくれました。

うっす!! ありがとねぇ
オレ、やりたいことするわぁ
この言葉があったからこそ、僕はその後の人生で「後悔しない」ための行動を起こし、今ここにいます。結果的には迷子になっていますが、これからも正直に生きて自分にも人にも嘘はつかないように生きたいと思っています。

(こいつ、ここで道を外し始めたか…)
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まとめ
介護職を考えている人へ、僕ができる3つのアドバイス
体力とメンタルを同時に消耗する仕事だと知っておくこと
介護の現場は「体を動かす肉体労働」と「人と向き合う精神労働」が同時に求められます。利用者さんの移動や入浴介助で腰や腕に負担がかかるし、夜勤は生活リズムを崩しがち。
一方で、認知症による暴言や急なトラブル対応など、心が揺さぶられる瞬間も多いです。
対策
- 自分の体を守るために、介助技術(ボディメカニクス)をしっかり学ぶこと、日頃から柔軟をすること。
- 睡眠の質を高める工夫(遮光カーテンやアイマスク、耳栓など)※ 酒に逃げない!!!!
- 感情を溜め込まないで、同僚や友人に話す習慣をつける
「しんどいのは自分だけじゃない」と気づけると、少し気持ちが楽になります。逆に「他人が楽そう」にも見えてしまうこともあると思います。その時には、見える現実は必ずしも自分が思うようなものではなく、頭がそう見せている事もあると抑えましょう。
人間関係が最大のカギになること
介護はチームで動く仕事です。利用者さんへのケアがいくら得意でも、職員同士で連携できなければ事故やトラブルにつながります。
また、職場によっては人間関係がギスギスして離職につながるケースも多いです。
対策
- 職場見学や面接で「働いている人の雰囲気」をよく観察する
- 「ありがとう」と小さくても感謝を伝える習慣を持つ
- 相手のやり方を全否定しない(違いを受け入れる姿勢が大事)
現場の空気が合うかどうかは、続けられるかを左右する大きなポイントですが、すぐにわかるものでもないので焦らずに!合わなければそっと身を引けばいいのです。
「やりがい」を自分で見つけられる人ほど強いこと
介護職は「給料が高い」「出世が早い」などの分かりやすい報酬が少ない分、自分の中でやりがいを見つけられるかどうかが長続きのカギになります。
やりがいを感じる瞬間の例
- 利用者さんから「ありがとう」と直接言われたとき
- 昨日できなかったことが、今日できるようになった姿を見たとき
- 人生の大先輩から生き方を学べたとき
こうした小さな達成感を拾える人は、しんどい現場でも踏ん張れます。他人から与えられるやりがいではなく、自分が感じられる瞬間(ありがとうと言われた、成長を見られたなど)を拾う意識が、長続きの秘訣になります。
最後に
介護職は、きれいごとだけでは語れない現場です。
だからこそ、事前に「体力・メンタル・人間関係・やりがい」の4点を意識しておけば、実際に働き出してからも自分を守りやすくなります。
もし介護職を目指しているなら、この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
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